評者はSEALDsメンバーだった是恒香琳さんです。
私たちは歴史を振り返るとき、どうしても転換点とされる「結果」にしか目がいかない。
そして、それをもってして、「今」には「結果」がないと嘆く。
しかし、その「結果」にはそれに至る「過程」がある。
たくさんの試みと失敗の積み重ね、振動の積み重ねが、あるとき沸点に達する。
そしてやっと「結果」が目に見えるのだ。
水を沸騰させたいなら、火を絶やしてはならない。
こんな当たり前のことを、私たちはすぐに忘れてしまう。
そのことを『沸点』は気づかせてくれる。
(是恒香琳)