「だけど、そのたびにこう思うのさ。今が99℃だ、そう信じなきゃ」。
トークはまず、島田さんによる『沸点』解析から始まりました。島田さんは『ラストワルツ』『九月十月』などのアーティスティックな作品で高く評価されている方(2008年、手塚治虫文化賞新生賞を受賞)で、実は私も大ファンです。
島田さんは『沸点』を漫画として高く評価します。まず、技術的にすぐれている。ページ数は決して多くないのに、非常に密度の高い物語を読んだ気にさせられる。ひとつには、ワンシーンをだいたい2見開きにまとめるなど、テンポよく見せることができているから。日本漫画とバンドデシネの中間的なタッチで描かれる絵のレベルもそうだが、場面構成という意味での “絵”が非常に映画的で、そのまま絵コンテになりそうだ。一部に大友克洋の影響が見られるという指摘も。なるほど!
次に、「人間がきちんと描かれている」と。「人間が描けているかどうかは技術の問題じゃないんですよね。描き手の“態度”です。人間に対する、社会に対する態度です。この人(チェ・ギュソク)はそれがきちんとしていて、おかしなことを描かない。大人ですよね」とのこと。「非常にすぐれた作品だと思います」。
他ならぬ島田さんの太鼓判に、私も『沸点』紹介者としてうれしくなりました。
次に島田さんから、80年代の韓国と日本やアメリカの関係についての質問をいただきました。
『沸点』には「親米独裁政権を打倒しよう」といったスローガンがしばしば出て来ますが、それはなぜか。光州事件での韓国軍の市民弾圧と米軍の関係、韓国の軍事政権と当時の日本の関係などについて、私が知っている範囲でお話しました。それについては、また別の機会に書こうと思います。
話はそこから、李明博・朴槿恵政権下でのメディア抑圧の話まで広がりました。
『沸点』には「親米独裁政権を打倒しよう」といったスローガンがしばしば出て来ますが、それはなぜか。光州事件での韓国軍の市民弾圧と米軍の関係、韓国の軍事政権と当時の日本の関係などについて、私が知っている範囲でお話しました。それについては、また別の機会に書こうと思います。
話はそこから、李明博・朴槿恵政権下でのメディア抑圧の話まで広がりました。
その後、会場の皆さんとトーク。韓国の民衆美術やオルタナティブ・コミックの紹介をしてきたという方や市民メディアの運営に関わっている方など、マンガ、美術、市民運動という多様なバックボーンをもった人が発言して、『沸点』という作品の幅広さを見る思いでした。
その後なぜか、『沸点』をどう販売していくべきかという “営業会議”のような展開になり、多方面のフィールドからの貴重な“営業”アイデアをたくさんいただきました。いずれ一つずつ、着手していきたいと思います。
その後なぜか、『沸点』をどう販売していくべきかという “営業会議”のような展開になり、多方面のフィールドからの貴重な“営業”アイデアをたくさんいただきました。いずれ一つずつ、着手していきたいと思います。
とても楽しいイベントでした。ありがとうございました。